Social Icons

Pages

2012年3月20日火曜日

バンプー工業団地 工場見学

3月8日
今回はパーソネルの研修生である津田さんが中心となり、パーソネルコンサルタント顧問の鈴木さんを介して、バンプー工業団地のセントラルメタルのコイルセンターと住友ウィンテックの工場見学に行ってきました。

【DVDでタイの経済について学ぶ】
工場見学の前に、鈴木さんが出演なさった番組をDVDで鑑賞し、タイの経済について学びました。
■タイの経済概況
タイは外資で成長した国といえます。現在でも外資の勢いは衰えず、東京ドーム1450個分の敷地がある、タイ最大のアマタナコン工業団地も現在売り切れ状態です。
いったい、何がこんなにもタイを魅力的な投資先にしているのでしょうか。
それは、タイがASEANの中心地であることだと言えます。ASEANは2015年には圏内関税を全て撤廃、18年には、豪•NZ•印•日•中•韓とも関税を撤廃する予定です。
世界中の企業がタイを輸出拠点にASEANやその他無関税国に輸出をしようと争っているわけです。

また一方でタイは外資を呼ぶための政策をとっており、例えば現在、日本についてはタイに投資した場合、8年間法人税減税。インドネシアであればこれが10年間法人税なし。韓国については100年間土地賃貸無料というすさまじい誘致政策を打ち出しています。

そんな中、日本の六重苦に悩まされる製造業の中小企業経営者もタイ進出に乗り出しています。しかし、多くがほとんど現地調査を行わず来タイし、苦労される事が多いそうです。こういった問題を解決するために、日本の中小企業専用工業団地大田テクノパークがアマタナコンに設立されました。日本の中小企業がなにも調べずに来タイしてもスムーズに稼働できる、まさに夢のような貸工場です。(次回の工場見学はこちらにお邪魔させて頂く予定です)

【CMT Central Metal Thailand】
まず1件目はCMT Central Metal Thailandに訪問させて頂きました。
CMTはJFEのコイルセンターです。
コイルセンターとは日本から送られてきた鉄のかたまりを、
顧客の求める大きさに切り分ける工場の事を言います。
歴史の古いCMTでは機械化が進んでいない事もあり、工場内にはタイ人が数多くいました。

「タイ人を管理する上で一番気をつけている事は安全第一。しかし、これが難しい。」と工場長の桑形さん。タイでは従業員の定着率が悪く、約30%の従業員が3ヶ月未満でやめてしまうことが多い。そのため教育が中々行き届かないそうです。また一方で定着率が悪いために、どうしても新人ひとりにラインを任せる事が出来ず、ライン当たりの人数が増え、人件費がかさんでしまうとおっしゃていました。

【SUMITOMO WIN TECH】
2件目は、銅線を製造しているSUMITOMO WIN TECHに工場見学にいきました。
CMTとは違い、こちらは従業員が少なく、かなりオートメーション化されていました。
極太の銅線から目に見えないくらい細い銅線まで様々な製造現場を見せていただきました。
「うちの強みは何と言っても、ミスの少なさとお客様のニーズに的確な導線づくり」と工場長の杉村さん。
商品として区別が難しい素材産業はミスの少なさが一番重要だそうです。
4月からタイの最低賃金は上昇するが、もはや人件費の安さがタイの強みではなく、発達した産業集積と工場インフラだとおっしゃっていました。



~編集後記~
就職後、ほとんどの人が本社勤務となり、商品の受け渡しも目で見る事なく書類で済まされ、なかなか生産現場を見る機会というのは少ないのではないでしょうか。実際に、どんな生産現場で商品が作られているのかを、”目で見て確かめ”、タイにおける鉄鋼業と銅線製造業の役割・重要性・工場管理(安全,品質,教育)を肌で感じることができた貴重な経験でした。
また、工場長とのインタビューを通し、生産現場について生々しいお話も聞け、大変勉強になりました。
(文責:山崎)

0 コメント:

コメントを投稿