5月24日、チョンブリ県内の日系企業5社(製造業4社、物流業1社)、
日本人学校1校の合計6箇所を訪問してきました。
日本人学校1校の合計6箇所を訪問してきました。
今回は特に、チョンブリにある3つの工業団地、サハ工業団地、ピントン工業団地、
イースタンシーボード工業団地、またレムチャンバン港もタワーから湾岸見学させてもらるなど
イースタンシーボード工業団地、またレムチャンバン港もタワーから湾岸見学させてもらるなど
とても盛り沢山な内容で、学びの多い一日となりました。
今回の工場見学は、ASAHI KASEI SPUNBOND (THAILAND) CO.,
LTD.の
川口様のご協力により実施することが出来ました。
快く受け入れてくださった訪問先の担当者の皆様、ありがとうございました。
川口様のご協力により実施することが出来ました。
快く受け入れてくださった訪問先の担当者の皆様、ありがとうございました。
<訪問先(訪問順)>
・DOME
COMPOSITES (THAILAND) CO., LTD.
・K LINE (THAILAND) LTD.
・SHINSEI MOLDING CO., LTD.
・泰日協会学校シラチャ校(シラチャ日本人学校)
・TOGO SEISAKUSYO (THAILAND) CO., LTD.
・ASAHI KASEI SPUNBOND (THAILAND) CO.,
LTD.
【DOME COMPOSITES (THAILAND) CO., LTD.】
DOMEはレーシングカー製造から出発した、カーボンコンポジット製造業者で、現在では日用品から、列車の座席に至るまで、様々な炭素繊維加工品を製造している。
DOMEはレーシングカー製造から出発した、カーボンコンポジット製造業者で、現在では日用品から、列車の座席に至るまで、様々な炭素繊維加工品を製造している。
DOMEは2005年にタイに進出を果たした。やはり、進出の目的は人件費の安さだ。
工場見学をしていて、まず初めに気になったのは女性の多さであった。こちらの工場では男女比率は4:6。日本では男性社員がほとんどを占めるラインすら女性が行っているという。特に微細で集中力を要する行程ほど、タイ人女性社員の方が向いているそうだ。
一番の驚きはタイ人スタッフが、細かな手作業をこなしていた点であった。カーボンコンポジット製品はどうしても機械化できない行程が多く、匠の技術が必要だと言われている。一体、どのようにして、技術移転を行ってきたのか尋ねてみた。
主流の方法はやはり、日本に研修生を送り込む方法だ。そして、研修経験者には後輩に技術を教え込むように促す。タイ人従業員は自分が技術を得ると、人に教えたがらないきらいがあるので、社内の技術移転も大変だと言う。また、日本から新製品のマニュアルが送られてきたときは現地の状況に合わせてアレンジしたり、アレンジさせたり、従業員の裁量に幅を持たせ、仕事にやり甲斐を持たせているそうだ。
主流の方法はやはり、日本に研修生を送り込む方法だ。そして、研修経験者には後輩に技術を教え込むように促す。タイ人従業員は自分が技術を得ると、人に教えたがらないきらいがあるので、社内の技術移転も大変だと言う。また、日本から新製品のマニュアルが送られてきたときは現地の状況に合わせてアレンジしたり、アレンジさせたり、従業員の裁量に幅を持たせ、仕事にやり甲斐を持たせているそうだ。
日本の中小製造業者が海外進出に悪戦苦闘している中、技術移転の困難さを乗り越え活躍しているまさにこれからの中小企業のお手本と言える企業であった。
(文責:山崎)
【K LINE (THAILAND) LTD.】
川崎汽船株式会社は、大正8年に設立された海運業を中核とする物流企業である。
今回は泰国川崎汽船の小澤さんのご案内により、タイを代表する港湾であるレムチャバン港を訪問。港内にある展望タワーから港全体を見渡しながら、お話を伺った。この展望タワーや港へは関係者以外立ち入ることは出来ないので、大変貴重な機会に恵まれた。
(文責:山崎)
(文責:小山)
(文責:坂田)
(文責:坂田)
【K LINE (THAILAND) LTD.】
川崎汽船株式会社は、大正8年に設立された海運業を中核とする物流企業である。
レムチャバン港は1991年に開港され、1997年にはバンコク港の貨物取扱量を追い抜きタイ最大の国際貿易港となった。バンコク港では河川港により大型船が寄航できないこと、またバンコク港周辺道路の渋滞が激しいことから取扱量に限界があったため、レムチャバン港が開港された。レムチャバン港は水深が16mあり、世界最大規模のコンテナ船も寄航可能だ。世界の
主要コンテナ港湾の中では23位に位置している(2011年時点、1位は上海)。
荷役はほぼ日本と同様のやり方で、世界標準のオペレーションの高さを誇っている。本船から岸壁までガントリークレーンを使用し、コンテナヤード内ではトランステナー、リーチスタッカー、トップリフターを使って行われている。また、コンテナヤード内でのコンテナロケーション、入出庫等の管理は全てシステム管理されている。ここで導入されているシステムは日本でも使用されているものだそうだ。
また、レムチャバン港はPAT(Port Authority Thailand、日本の港湾局にあたる)が所有しているが、オペレーションは民間企業によって行われている。日本の資本も多く入っているそうだ。
港に隣接している工業団地も、日系企業の数の多さが目立った。
物流業においても、日本のシステムやオペレーションが活用されていることから、技術の高さやシステムの細かさで日本は世界に貢献していることを実感した。
(文責:赤塚)
【SHINSEI
MOLDING CO., LTD.】
SHINSEIは家電業界、自動車業界向けのパーツを中心に製造している。
SHINSEIは家電業界、自動車業界向けのパーツを中心に製造している。
タイへの進出のきっかけはやはりコストで大部分を占める人件費の圧縮。成形業界は競合他社が多いため、競争が激しく、近年の原材料費価格高騰をうけて一層のコスト削減が要求されている。最近はインドネシアの成形メーカーをも買収し、タイ工場と共にアジア市場の開拓を推し進めている。さらには、北米工場を中心として、今後建設を予定している南米地域も含めグローバル展開を繰り広げていく計画である。
SHINSEIの強みはなんと行っても、人海戦術を用いた、検査部隊だ。完成品を黙々と丁寧かつ正確に検査しているタイ人従業員には驚いた。Made in Japanの高品質は、中小企業のこういった巧緻を極めた部品作りにあるのだと実感し、また、それがここ、タイでも実現している事には驚きを隠せなかった。
日本の製造業の海外進出に伴う、日本の技術流出について尋ねてみた。
「技術はオープンにして行くべきだ。技術を常に発信していく体制を取らないと、R&Dがストップしてしまう。今の時代はスピードが命だ。技術が奪われるのが怖くて、国内に留まっていたら、あっという間において行かれる」と、石本氏。一方で、技術を外国人に教え込む事が、現場での一番のボトルネックとなっているのも事実。この隘路を克服して行くためにもやはり、優秀な日本人の人材が必要であり、日本人学生には内向きにならず、海外へどんどん出て行って欲しいと言われた。
「技術はオープンにして行くべきだ。技術を常に発信していく体制を取らないと、R&Dがストップしてしまう。今の時代はスピードが命だ。技術が奪われるのが怖くて、国内に留まっていたら、あっという間において行かれる」と、石本氏。一方で、技術を外国人に教え込む事が、現場での一番のボトルネックとなっているのも事実。この隘路を克服して行くためにもやはり、優秀な日本人の人材が必要であり、日本人学生には内向きにならず、海外へどんどん出て行って欲しいと言われた。
企業の海外展開が必要だと叫ばれる今日ではあるが、やはり、人材の海外展開が喫緊の課題であると、痛感させられた。同時に、海外で活躍できる人材を育てて行くために、企業の採用活動のあり方も変って行かねばならないと考えさせられた。
【泰日協会学校シラチャ校(シラチャ日本人学校)】
世界で一番新しい日本人学校。1991年レムチャバン港が開設し、日系企業が多数進出。それと同時に日本人が多数移住し、2009年シラチャ日本人学校発足となる。日本人の児童生徒が、日本国外に出ると、義務教育の対象から外れるため、現地の学校もしくはインターナショナル校という選択肢になってしまう。いずれは日本に帰って、普通の学校に通う児童生徒が多いため、帰国後日本の教育システムに早くなじめることも、日本人学校に通うことのメリットだ。発足時は88名で、毎年50~60名の単位で増加しており、現在242名の児童生徒が通っている。
世界で一番新しい日本人学校。1991年レムチャバン港が開設し、日系企業が多数進出。それと同時に日本人が多数移住し、2009年シラチャ日本人学校発足となる。日本人の児童生徒が、日本国外に出ると、義務教育の対象から外れるため、現地の学校もしくはインターナショナル校という選択肢になってしまう。いずれは日本に帰って、普通の学校に通う児童生徒が多いため、帰国後日本の教育システムに早くなじめることも、日本人学校に通うことのメリットだ。発足時は88名で、毎年50~60名の単位で増加しており、現在242名の児童生徒が通っている。
■教育の内容
・日本の教育システムに従って、カリキュラムが組まれている。
・一年間に約35週、1週間に30時間の授業があり、小学3年生以上は7時間目まで授業があることも。
・全学年でタイ語の授業も行っている。
・小学3年生以上のクラスでは週に2日英会話、全学年で週に1日水泳の授業がある。
・学習指導に力を入れており、複数の教師で指導にあたることもある(ティームティーチング)。
・日本の教育システムに従って、カリキュラムが組まれている。
・一年間に約35週、1週間に30時間の授業があり、小学3年生以上は7時間目まで授業があることも。
・全学年でタイ語の授業も行っている。
・小学3年生以上のクラスでは週に2日英会話、全学年で週に1日水泳の授業がある。
・学習指導に力を入れており、複数の教師で指導にあたることもある(ティームティーチング)。
■課題
日本にいる子どもと比較して、体力テストの平均値が低いこと。(運動する環境が少ない)
日本にいる子どもと比較して、体力テストの平均値が低いこと。(運動する環境が少ない)
■教師
文科省から派遣されている日本の現役の先生と、学校が直接採用している先生がいる。文科省からの派遣の先生は、希望者の中から選考されて派遣されるが、どこの日本人学校に派遣されるかは文科省が決定するとのこと。
【TOGO
SEISAKUSYO (THAILAND) CO., LTD.】
東郷製作所は、愛知県に本社‐工場を持つ小物ばねメーカーである。
東郷製作所は、愛知県に本社‐工場を持つ小物ばねメーカーである。
日本国内で1年間に生産されるホースクリップの数はおよそ11億個。そのうち80億4000万個、およそ80%の生産を担っている。世界市場でも約30%のシェアを誇る、ホースクリップの世界的メーカーである。
タイでは主力製品であるホースクリップ・フラットスプリング・ワイヤスプリングを製造している。2002年に設立し、従業員は177名(2012年2月現在)。
ホースクリップは成形、熱処理、錆止め塗装、コーティングの工程を経て完成する。
多くの企業が頭を悩ませる、タイ人と日本人の文化の違い。タイ人は職場をすぐに変えることに抵抗がなく、教えた技術も一人で抱えて新人に伝えないことが多い。そのため、育成コストがかかり、生産効率に影響が出ることがある。しかし東郷製作所では、従業員の退職率が年々下がり、仕事に対する満足度も高い。
その理由の一つにQCサークルの実施がある。QCサークルとは、品質管理活動を自主的に小グループで行う活動を行うことである。課長も運転手も関わる大規模なイベントで、優勝したグループには賞品も用意されており、一丸となって取り組んでいるのだという。
工場見学では、多様な色や形状のホースクリップ・スプリングを目にした。顧客のニーズに合わせて対応しているのだという。例えば高級車に使用する部品は、色が銀色のままであれば高級感が出ないので、工程の一部を変更する必要がある。細部へのこだわりに応えられる高い技術が、日本の自動車産業を支えているのである。
【ASAHI KASEI SPUNBOND (THAILAND) CO., LTD.】
旭化成は8つの事業会社を有し、領域を区分すると大きく4つの下記事業領域を展開。
旭化成は8つの事業会社を有し、領域を区分すると大きく4つの下記事業領域を展開。
① ケミカル・繊維 ②住宅・建材 ③エレクトロニクス ④医薬・医療 である。
同社は繊維(旭化成せんい)の中に位置づけられ、紙オムツの部材となる製品(スパンボンド不織布)を生産・販売する会社である。
紙オムツ市場は、中国、ASEANなどのアジア各国で急速に拡大しており、主に日系オムツメーカーのアジアにおける生産拡大をサポートするため、タイのサハ工業団地内に会社設立を決定した。
第一期の総投資額は約50億円、2011年8月着工し、2012年9月稼動開始予定である。
生産量は約2万トンの巨大な工場で、社員は約70名程度と少ない。
生産量は約2万トンの巨大な工場で、社員は約70名程度と少ない。
ディレクターを勤める川口建さんは、タイ赴任は2011年6月からであるが、その前の事業のFS、会社設立業務から関わっているのだという。
多様な分野の人と幅広く交流しなければ、入ってくる情報に偏りが出てしまうとおっしゃっ
ていて、普段も様々な年代の方と関わっているのだという。大学で卒業が数年遅れてもいいから、海外で語学を勉強し、海外インターンにも参加して、世界に出ても通用する人間になる
ことの大切さを話していただいた。
ていて、普段も様々な年代の方と関わっているのだという。大学で卒業が数年遅れてもいいから、海外で語学を勉強し、海外インターンにも参加して、世界に出ても通用する人間になる
ことの大切さを話していただいた。
今回の貴重な経験は、すべて川口さんのご厚意とご尽力によって実現したものだった。
快く案内を引き受けてくださった会社の皆さまとお話して感じたことを、この日限りで終わらせることのないよう次の一歩をそれぞれが踏み出せるようにしていきたい。
0 コメント:
コメントを投稿